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from    沼倉幸子

​ 一般社団法人  森のようちえんはっぴー代表

『違いを認めるには』

こんにちは。私は南房総市大房岬自然公園で野外保育森のようちえんはっぴーを運営している沼倉幸子です。

 

この地で森のようちえんを始める準備をしていたときに、あわ発達障害児応援団「たからばこ」の武田由美さんと出会いました。障がいがあっても生涯にわたって地域の中で働き暮らしていけるような場所を作っていきたいと熱く語ってくださったことが、今でも印象に残っています。

 

はじめに森のようちえんについて少し紹介いたします。

森のようちえんは、デンマークの一人のお母さんが、森の中で自分の子どもとお隣の子どもを育てたことから始まったと言われ、北欧やドイツなどで盛んに行われています。

 

日本にもたくさんの森のようちえんがあり、子どもたちは自然の中でのびのびと過ごしています。

 

森のようちえんはっぴーは、3歳児から5歳児までの子どもたちが、毎日リュックサックを背負い、大房岬の森の中を歩いています。

異年齢で構成された集団なので、年下の子どもたちは年上の子どもを見て学び、年上の子どもは年下の子どもの世話をしたり教えたりすることによって、自信を持ち、思いやりの心が自然と育まれます。子どもたちは森での遊びや生活を通して社会性や協調性を学び、小さな社会を築き上げていきます。

 

2011年に「たからばこ」さんが発行した冊子の中に次のような言葉があります。

“多数派の人も含めみんながいろんな特徴を持っています。お互いの特徴を知り、少しずつ工夫することで、みんながこの社会の中でより「不都合」なく過ごせるのだと思います。”

 

社会の中で気持ちよく過ごすには、目の前にいる一人ひとりが違う事を考え感じていることを知り認め合うことです。子ども同士がぶつかり合うという経験は、相手を知る第一歩で、成長期にとても大切なことだと思います。

『子育てという冒険』

​            (たからletterNo.31.32より)

今回は冒険教育の視点から、子どもの育ちや子育てを考えてみたいと思います。

冒険教育とは、冒険=アドベンチャーを活用した教育手法で、青少年の人間形成や人間関係づくり、企業研修のチームビルティング、リーダーシップ開発などに用いられる内面の成長を促す手法のことです。(https://greenfield.style/より引用)

冒険教育では、人の内面には安心できる「コンフォートゾーン」、適度な負荷がかかる「ストレッチゾーン」があり、「ストレッチゾーン」を超えてしまうと、自己制御不能になり「パニックゾーン」の領域となると言われています。

適度な負荷のかかる 「ストレッチゾーン」の領域を『自発的』に挑戦することで、自分の中の「コンフォートゾーン」が広がり、成長していくと考えられています。

この考え方は子どもの内面が育つ過程と、とてもよく似ているのではないでしょうか。

小さな子どもが家庭から社会へ出たとき、安心のコンフォートゾーンから負荷のかかる領域ストレッチゾーンに入ります。不安や不慣れなことを親や保育者の援助を受けながら、子ども自らがストレッチゾーンをコンフォートゾーンに変えていくことが成長につながっていきます。

子どもがストレッチゾーンにいるときには、親にも負荷がかかった状態となり、子育てのストレッチゾーンに入ります。子どもを導きながら、親自身もコンフォートゾーンを広げていくのは精神的にも大変なことだと思います。

ストレッチゾーンにいるときは大変だと思いますが、コンフォートゾーンが広がるための通過点であると思うと少し楽に構えることができるのではないでしょうか。

私自身も振り返れば、ストレッチゾーンがあったからこそ、今のコンフォートゾーンがあると思うこともたくさんあります。

新型コロナウィルスが猛威を奮う現在、世界中の人がストレッチゾーンの真っ只中です。パニックに陥らないように、冷静にこのウィルスと向かい合うことで人類のコンフォートゾーンが広がっていくことを願います。

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