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from鈴木弘子

​保育士

​『怒らず、許さず​』

 たからばこの会員となっていますが、幽霊会員状態でMLのメールやたからletterを拝見しながら、皆様の元気さに背中を押されて日々仕事をさせて頂いてます。

 

 私が、保育士になり、今まで何人のお子さんとの出会いがあったでしょうか?子育ては、「子どもをかわいいと思う気持ちは十二分にあるのに、それだけではなく不安やストレスがついてくる。」と感じている方が多いと思います。その中でも、育てづらさを抱えており、のちに発達障がいがある事が解った方もいます。保育所で保育をしている時には、専門職からの指導を受けたり、自分で研修に参加して、よりよい方法を探していました。

 

 ある時、自閉症と診断されたお子さんのお母さんが巡回相談を受け、「すごい先生がいるんです。今度合宿に行ってきます。」とすごく前向きに報告をして下さいました。その後、指導者向けの合宿がある。という話を聞き、参加させて頂きました。当時、ドキドキで参加した私たちを笑顔満開で受け入れてくださった先生がいました。その時に聞いたのが、子育ては「怒らず・許さず」「おかあさん元気」で何とかなる。ということでした。合宿が終わる頃には、私の中でとてもすっきりとした気持ちになり、心も満タンになり、早く帰りたい。と思った事を今でもはっきりと覚えています。

 

 「怒らず・許さず」

あるお父さんが「妻は子どもに対して怒らず・許さずをしっかりとやっているのに俺は、怒ったあげくに許していた。」と話してくれました。簡単そうに聞こえるけど、これがなかなか忍耐のいる事です。子どもを怒る事はない。だめな事は、許してはいけない。また、親が決定権を持つ時も同じです。子どもは泣いて暴れて主張してきます。そんな時、散々怒ったり、なだめたりした後に、「今回だけ」「一つだけ」とか許してその場をしのぎたい気持ちは良くわかります。それでは、子どもはますますエスカレートするばかりです。大人が揺れなければ、子どもの揺れは、だんだん治まってきますが、大人が揺れれば、その揺れ幅はどんどん大きくなってきます。その為の時間はかなり個人差があると思われます。大人は一呼吸して冷静さを保ち、安全を確保したら、少し離れて落ち着くのを待ちます。落ち着くと、大人の話もすんなりと入るようになります。

「怒らず・許さず」が今では私の子育ての基本になっています。

 

 「お母さん元気」

 お母さんはお子さんが心配のあまり、「何で?」と原因究明したり、自分を責めてしまっている方が多いと思います。苦しさを打ち明けられずにいる方も少なくはないと思います。お母さん自身の話を聞いてくれる場所、涙を流す事ができる場所、安心できる場所、我が子の事を理解してくれる場所があれば、お母さんたちはだんだんと元気になる事ができる。とあの時、お話を伺い実感しました。

 

 発達障がいがある、無しに関わらず、子育ての基本は同じだと思います。かかる時間の違い、かかる手間の違いがあるのだと思います。「怒らず・許さず」「お母さん元気」になるようにこれからもお母さんたちの応援団でありたいと思います。

                                          

(たからレターNO.9より)

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