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from二ノ形 恵
言語聴覚士
『年度の変わり目で思う、
大切にしたいこと』
この原稿を書いているのが3月です。子ども達の卒業の報告や、次への進学・進級、就職を前にして、新たなステージへ向けての緊張感や楽しみ・不安感などそれぞれの思いを聞くことが多い時期です。
子どもによっては、この2月~3月にかけて落ち着かなくなる子もいます。次の変化(担任の先生が変わる、教室が変わる等)に向けて、不安になるようです。また、4~5月はいいけど、6月はダメ、という子もいます。春休みや夏休みに落ち着かなくなる子、長期休みはとても気分が良くなる子、どの時期でも変わらない子、ホントにいろいろ感じ方、行動への現れ方が違います。この、時期だけではなく、「特徴」といわれているものは出方がそれぞれなんだな、と思います。
そんな、それぞれに現れ方が異なる子ども達と接する時に、大切にしたいなと思うことは、
・決めつけたり、自分の思い込みを押しつけない
・本人の思いを常に中心におくこと
ということです。大人側が良かれと思って行ったとしても、本人の思いから外れると、良い結果にはならないことが多いなと特にこの時期感じます。
そして、子どもが持っている力で大切にしたいなと思うことは、
・自分がやりたいことは何なのかわかること、嫌なことは嫌だと伝えられること
・自分で決められること、その機会があること
・人に助けを求められること
という3つです。自分で自分のことを決めて過ごせると、とても活き活きしているなと思います。逆に、何か問題が起こったとき、例えば、「嫌だと言えないからそこへは行けない」、「自分で決めていないから頑張れない」と、問題になりやすい、見直す必要がある力だなと感じることが多いです。
子ども達は前に進んでいく力がとても強くて、学ばせてもらうことがたくさんあります。進むときに、自分で考え、決めて行動したことは特に、乗り越えられることが多いなと思います。私たち支援者は何かアドバイスしたり、子どもに教えるという立場であるようにみえますが、実際はそうではなく、たくさんの自分で決めていけることを邪魔しないようにする、そして様々なことは自分が伝えたり相手から聞きながら、コミュニケーションの中で解決していけるということを、どれだけ経験し、気づいてもらえるかが大事なのかなと思い、日々模索しています。
(たからレターNO.21より)