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from粕谷英恵

​親、副理事長

親愛なる私の家族へ』

 こんな風に、想いを書くのは凄く恥ずかしいけど、素直に正直に書くね。

Hくんへ なんでこんなに可愛いんだろう。外見もぽちゃぽちゃしていて、つい頬っぺたをスリスリしたくなっちゃう。君が側に居るだけで、本当に楽しくて、嬉しそうに手を叩きながら走っているのを見ると、自分も幸せな気分になるよ。次男という立場で生まれてきて、お母さんとしては、先に生まれたお兄ちゃんが、自閉症であると分かっていたあの時、『将来、お兄ちゃんを助けるんだよ。』って、赤ちゃんの君に兄の人生も背負わせようと話しかけたりもした。ごめんなさい。そうじゃないよね。誰の人生でもない、Hくんらしい、キラキラの人生だよね。

Hくんは、時に、粘土などで、目を見張るものを作って見せてくれるね。君の感性を大事にしなくは、と思ってるよ。君は、お兄ちゃんの優しさをいっぱい受けてここまできたね。ずっと、兄弟、仲良しでいてね。

 

 Kくんへ 君との出会いが、私をたからばこへと導いてくれました。ありがとね。君の存在で、母さんは色々なことを学び、色々な発達障がい児のお母さんや、仲間たちに会うことができました。

長男で生まれた君が、お母さんとお父さんは、本当に可愛いくてね。今でも、『昔から変わらないね。その大きな目。二重。可愛いいね』なんて、十二歳になる息子に向って言ってしまう。お父さんも、あなたにおねだりされると・・・笑。

君は、本当に優しい子。その優しさ故に、時にトラブルに巻き込まれたりする。それが、すごく悔しい。でも、それも君が将来生きていく上で乗り越えていくのに必要な強さを身に付ける練習の場となると思う。時には、一人で乗り越えて行かなければならない時期もあると思うから。

もし君が悩んだら相談しなさい。ひとりで悩んじゃダメだよ。君の周りにはたくさんの仲間がいるよ。そして、忘れないでください。お父さん、お母さんは、いつでもあなたの味方です。

 

 ガーちゃんへ 照れくさいけど書くね。この十二年すごく大変だったけど、ガーちゃんがいたから乗り越えて来れたなって思います。ほんとに、ありがとう。自閉症の二人の息子たちを抱えながら母親として立ち向かっていくのに必死だったあの時、貴方が子供の障がいを受け入れることに、悩んでたのに、寄り添えなかったね、私。貴方は言葉に出すことも、愚痴ることもせず、ただ我慢してたね。でも、身体は正直。いつしか、貴方のほとんどの髪は抜け落ちてしまった。辛かったよね。苦しかったよね。

 私、貴方の心の広さを知ってるよ。地区では、祭礼の囃子方の責任者。子供たちの指導をしている中、一番に伝統を教えたいと願っている我が子が、音への過敏さから、練習に参加出来ない悔しさ。でも、貴方は、ぐっと堪えて、子供の個性を大事にしてくれてる。 きっと、自分の悔しさや憧れよりも我が子を第一に考えてくれてるんだ。子供たちにとって、自慢のお父さんだよ。愛情いっぱいのお父さんだよ。家族を第一に考えてくれて、ありがとう。そして、子供の経験を増やそうと一緒に挑んでくれてありがとう。                            

 

 最後に、自分に。 

日々悩むことの多さ。将来に向けて、かけがえのない我が子が幸せに、その子らしい人生が送れるかを、時に不安に思う事がある。

何考えてんの!しっかりしろ!こんなに真剣に悩み、愛情を注いでるんだ!幸せになるに決まってるっ!自信を持って突き進め!大丈夫さっ!

 

家族という、かけがえのない私の宝物。一緒に育みここまできました。決して切れない絆を、これからも一緒に歩んでいこうね。

                                                                          

                                                                          

(『たからばこ~みんなの想い~』より)

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